フォーラムの理念
私たちは子どもを中心にしてつながり、学んだことを子どもたちに届けます
1.日時
2025年8月5日(火)20:00〜21:00 (日本時間)
2.場所
オンライン (Zoom)
参加者
5名
3.内容
テーマ:「共創空間」
今回のテーマ「共創空間」は、これまで10回にわたる対話の積み重ねから見えてきた「自己肯定感」と「コミュニケーション」という2つのキーワードをもとに設定しました。家庭教育におけるコミュニケーションを考えるヒントを得るため、ファシリテーターの西野さんから、屋号として掲げられている「共創空間」に込められた意味やその実践についてお話をいただきました。
共創空間とはなにか?
西野さんが大切にしているのは、「ファシリテーターが語る」のではなく、参加者が自らの視点を自由に表現し合える“余白”をつくること。意見を押し付けるのではなく、沈黙や空白を恐れずに、互いの声が自然と響き合う場をつくることを心がけていると語られました。
特に印象的だったのが、「円錐」のたとえ話です。
「円錐を下から見れば丸に見えるけれど、横から見れば三角に見える」と語り、物事の見え方は立場や視点によってまったく異なることを示してくれました。
一人ひとりが見ている“形”が違っていても、それは間違いではなく、それぞれに真実がある。だからこそ、対話によって多様な視点を持ち寄り、全体像を共有していくことが重要なのだと、強く語られていました。
参加者の対話から見えてきたこと
後半は、参加者が自由に思いや意見を語り合う時間となりました。
そこでは、以下のような貴重な視点や学びが共有されました。
共創とファシリテーションのあり方:
西野さんのファシリテーションは、「正解を導く」のではなく、参加者が自らの声を持ち寄り、自然と場をつくっていく“共創的な進行”。その姿勢に共感が集まり、他の会議との違いに驚く声もありました。
対話文化の違いと課題:
日本では、学校や職場で「上の人の顔色をうかがう」風土が根強くありながら、子どもたちには「意見を持ちなさい」と教えているという矛盾が指摘されました。海外の事例も交えながら、文化としての“意見を言うことの難しさ”が議論されました。
ファシリテーション手法の工夫:
参加者が否定されずに安心して発言できるよう、選択肢を提示する、言い回しを柔らかくするなど、具体的な手法も共有されました。
ファシリテーションと司会の違い:
一方的に進行する「司会」とは異なり、場を整え、声を引き出し、時には沈黙を許容する「ファシリテーション」の価値が明確になりました。
その他:
また、このフォーラムそのものが「共創空間」の実践であると再認識され、参加者の皆さんからは「こういう対話が、学校や職場でももっと必要」「自分自身が今いる場所でファシリテーターとしてこの空気を広げたい」という声も多く聞かれました。
おわりに
このフォーラムは、話し合ったことや気づきを、参加者一人ひとりがそれぞれの現場に持ち帰り、実践していくことで、最終的には子どもたちに届けていくことを目指しています。今回も、多くの方が「共創空間」というキーワードに共感し、学びを持ち帰ってくださったことを、心から嬉しく思います。
「対話には力がある」
そう感じられる、温かく、深い時間となりました。
次回もまた、皆さんと新たな視点を持ち寄り、共に創る対話の場をご一緒できることを、心より楽しみにしております。